家庭雑排水(洗剤について)
合成洗剤からせっけんに変えてみませんか?
私たち「カジュアル マーケット ベモ ステーション」のスタッフは、ジーンズショップを営み ながら、休日のほとんどをアウトドアスポーツで楽しく過ごしています。 近年カヌーで川を下る事が多くなったのですが、残念ながら日本には三万本近くの河川が あるにもかかわらず、清流と呼ばれる川は数本しかありません。その貴重な清流も今や、 コンクリートによる護岸、ダムや堰の建設によって死んだドブ川になる運命をたどって います。 (本来自然には、浄化能力がありますが、人工的に手を加える事によって低下しています。) 自然の浄化能力の衰えた日本の河川に、分解が非常に遅く、毒性の高い合成洗剤を含む、 家庭の雑排水が流れ込み、水の汚染は加速度的に進んでいます。 私たち大阪人は、水の都、浪花に育ち、琵琶湖を水がめとする淀川水系に育まれ発展してき ました。が、残念な事に淀川は、自然浄化能力の衰えた死んだ川になっています。一度、カヌー で淀川を下ってみましたが想像以上に汚染されています。あらゆるところに泡が立ち、ヘドロが 溜まり、悪臭を放っています。しかし、私たちは、その淀川から取水した水を利用しているのです。 本当に恐ろしい事だと思いませんか? 合成洗剤等の、恐ろしい化学物質から身を守る事は今日では不可能かも知れません。 しかし、家庭から有害物質を減らしていく事は努力しだいで可能なはずです。合成洗剤を多用 する事の結果として、下水処理の能力が落ち、上水道の原水(大阪の場合、淀川の水) は多くの有機物を含んでいます。その原水に消毒用の塩素を投入する事で、水道水にトリ ハロメタンなどの発ガン物質が発生している事を、まだ多くのひとは知ってはいません。 合成洗剤は皮膚障害、及び皮膚からの浸透性が強いので、溶血作用による貧血の原因、 肝臓や腎臓障害、受胎率の低下、胎児障害性、植物成長阻害、水棲生物への有害性、 発ガンまたは発ガン補助性、他の有害物質と結びついての相乗性、など数えきれない 弊害があります。 しかし現状では、合成洗剤と粉せっけんの違いを知らないひとたちが大部分を占めています。 また合成洗剤の危険性を知っていても、「私一人が切り替えても」とか「本当に悪い商品 だったら、政府が許可しないでしょう」というひとがあまりにも多すぎます。テレビの宣伝を 鵜呑みにして、合成洗剤の方が、粉せっけんよりも汚れを良く落とすと思い込んでいる方が多い のです。 (ちなみに、民間テレビ放送局のスポンサー上位を占めるのは合成洗剤メーカーです。 もし、合成洗剤の危険性などを番組で取り扱えば上位のスポンサーが離れ民放の経営 は成り立ちません。口が裂けても合成洗剤の悪口は言えない仕組みです。) 粉せっけんで洗った生地は日光で白くなりますが、蛍光増白剤入りの合成洗剤では日光 で黄色くなります。それに合成洗剤で洗った生地はゴワゴワになるので、余分に柔軟仕上 剤も必要になります。 台所用合成洗剤は、「植物油を原料に使っているので、手、肌、環境に優しい」などのコマー シャルをしていますが、これも合成洗剤であり安全性などはせっけんの比ではありません。 環境汚染の問題も、せっけんは合成洗剤に比べ短時間で微生物により水と二酸化炭素に 分解され、せっけんカスは微生物の栄養源となり生態系にリサイクルしますが、合成洗剤は 分解されにくく、水中の微生物を殺してしまいます。 昔は家庭の排水口に、水をきれいにするイトミミズが群がっていた事を記憶している方も少なく ないと思います。 いま、核兵器や原子力発電所の廃止、フロンガスの使用禁止、ゴルフ場の乱開発防止など 色々な問題があります。が、今日明日中に解決できる問題ではありません。しかし、有害な 合成洗剤を、安全で環境に優しいせっけんに切り替える事はたやすい事だと思います。 すぐできる身近なところから、みなさんもご一緒に環境を考えてみませんか? 地球が誕生して46億年。人類が誕生して500万年。かつてガガーリンが見た青い水の惑星は、 ここ30年足らずの自然破壊のため危機を向かえています。 (地球の危機というのは地球上に生かしてもらっている全生物の危機と読み替えて頂いた 方が適切です。) 付録:台所用合成洗剤の裏面に書かれている表示を読むと、洗剤 1.5ccに対し水 1000cc の割合で使用するように書かれています。コンパクトなものに関しては 0.75ccと記されています。 果して注記されている通り、約 1000倍に薄めて利用している方が存在するのでしょうか? |
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