魚と合成洗剤

魚と合成洗剤

川や海に合成洗剤が流れるとどうなるかといいますと、魚というものは本来、危険なも
のからは逃げるという本能があります。
合成洗剤が流れれば本当に薄い、0.01ppm
ぐらいの濃度であってもそこを避ける本質的な力があります。ところが、川に大量に合成
洗剤が流れると、逃げようにも逃げられなくなる。その結果、魚はそれを食べてしまい、
さらに水中にも残ってしまう。しかも合成界面活性剤で口の中がマヒして、魚が味を感
じる力がなくなってしまう。すると、例えば水銀があっても食べないはずなのに、毒と毒で
ないものを見分ける力がなくなってしまう。
こういうことが背景にあり、水俣病が発生
したといわれています。

これは人間の場合でも、歯磨きしただけで同じ結果になります。歯磨き粉の中に合成界
面活性剤が3%ほど含まれています。
それで歯を2〜3分磨くと、舌の表面に味を感じる
味蕾に合成界面活性剤が結合して残ってしまう。
その結果、歯磨きした後お茶を飲んでも
何か物を食べても味がわからなくなってしまうというわけです。しばらく経てば回復すること
はするのですが、それが積み重なると微妙な味は感じられなくなって、辛い物も辛くなくな
る。ですから激辛を求めるのです。小さい赤ちゃんは本当に味の薄い物でも感じるのです
が、成長するにつれて歯磨きなどのせいで味に音痴になり、非常に味の濃い物を求める
ようになるといわれています。


カルシウム石けんと合成化学物質

「環境ホルモン」で明白になってきたように、合成洗剤をはじめ、いわゆる合成化学物質
というものの問題点が明らかになりつつあります。簡単に作れて洗浄力も合成洗剤より
いい。手荒れも起こさない。そういう石けんの良さを改めて見直していく時期に来ている
のではないでしょうか。

しかし、石けんは石けんカスができるからどうのこうのという批判があります。石けんカス
とは水の中のカルシウムと石けんが結びついたものです。実は石けんカスができるから
石けんはいいと、逆の理論が成り立つのです。洗たくしている間は石けんで、川に流したら
カルシウム石けんになって、これは魚のエサになってしまう。太陽油脂では、わざわざこの
石けんカス、つまりカルシウム石けんを工場で作っています。これは何のためかというと、
鶏や牛の配合飼料に入れると、牛乳にカルシウム分が多くなったり卵が割れにくく
なるからです。魚の養殖にも使われているようで、養殖場では高級なタイやヒラメにこれを
使うと元気に育つといいます。合成洗剤にまみれて育った方は、奇形が生まれたり、
だんだんオスがメス化したりするという。
使用後の石けんは、流れてすぐカルシウム
石けんに変わり、微生物やミジンコや魚のエサになって全部なくなってしまうというわけです。

一番最初に話したように、東京湾には何ppmという合成界面活性剤がいまだに残ってい
るわけですが、石けんはどこの川、どこの海を分析しても少しも出てきません。1ピコ
グラムも出てこない。それは、石けんがすぐカルシウム石けんになってすべて食べられて
しまうからです。下水を廃水処理した結果も、全部分解されて石けんという形では残りません。
石けんは作り方がごく簡単ですから、自然の循環でまたすぐ戻ってしまうのです。

合成界面活性剤のように非常に高温高圧の中でしか作れないものは、魚や自然界では分解
できずにどこかに溜まっていて、それがやがては人間に返ってくる
。その結果、30年前と
比べて男性の精子は今や半分に減っている。もう30年経つとまた半分に減って、50年後には
子孫は生まれなくなると。100年後には人類は絶滅するという説もあるくらいです。

今こそ合成洗剤をやめて、昔からある自然の石けんを使いましょう。また、使い方によっては
便利に使えるものをもう一度見直していく必要があるということを訴えまして私の話を終わり
ます。

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