アルプス電気(株)が独自開発したMicro Dry Process 方式の個人用プリンター
初期モデルMD-2000が1995年6月に発売され、カラー印刷600×600dpi、モノクロ印刷600×1200dpiという解像度の当時としては驚きのスペックをもつ商品にもかかわらず、10万円を切るという価額設定。もちろん飛びつきました。フルカラーの表現力の素晴らしさはもちろんですが、何よりアイロンプリント機能(Tシャツへの熱転写シートへの鏡面印刷)に心底魅力を感じたからでした。
個人用プリンターを使ったアイロンプリントで通常洗濯に耐えうるだけの洗濯堅牢度を持つプリンターはこの商品だけでした。おそらく今現在もその地位は変わらないと思います。
そして1999年にMD-5500発売と同時頃購入。
しかしこれほど優秀なプリンターにも関わらずマニアック過ぎたのか、2000年12月店頭販売から撤退してネット販売のみとなってしまった。そしてさらに、惜しまれながらも2010年5月末で販売終了となった。しかしサプライ品販売や修理対応は続いていたので安心して使い続けてきました。
もともと、1999年にリリースされたものなので、対応OSはwindows XP(Mac OS X 10.4.11)まで。その後、winndows 7 対応のドライバーもリリースしてくれましたが32bitのみで、64bitは未対応。グラフィックデザインするのに32bitでは心もとなく、win7 64bitも導入しましたが、通常ではMD-5500は使用できないため、仮想マシン環境でXPを動作させてMD-5500を使用するなど苦労しながら使ってきました。それでも使い続けたいと思えるプリンターなのです。
しかしいよいよ来るべきときが来ました。
プリンターはまだまだ健在なのに、またまた望みもしないのにOSが変わろうとしています。windows10 がまもなくリリースされます。しばらくはwin7が使えるとしても、このあとMD-5500を使い続ける事はできるのか? 最悪プリンター用にwin7 32bit を残せば良いが、ネットを使わずスタンドアローンというのも使い難い。出来る事なら win10 でも継続して使って行きたい。そんな悩みを払拭するべく、お試しwin10用に2台(32bitと64bit)PCを用意した。
この準備に伴って、じつはここ半月ほどの間、win7に付きっ切りだったのです。
まだ見ぬwin10をリサーチしながら、32bit でしか動作しないMD-5500のことを念頭に、PC環境を考えると、win10への無償アップグレード後にwin7に戻す事なども考慮しておかねばならない。しかし最近のPCにリカバリーディスクは用意されていないのでそれらの作成は必須!
で、ぶつかったのが、win7にCドライブ以外に存在するドライブ先頭の隠しシステムドライブ。
D(Q)ドライブなどに工場出荷時のバックアップデータが仕込まれているのは分かるが、考えてみればこんなドライブレターも付いていない隠しドライブは、XPまでは存在しなかった。今頃こんな事言い出すのもお恥かしい話なんですが、これがいったい何を意味するものなのか知らなかった。おまけに、自作デスクトップではwin7を使用しているが、こんな隠しドライブは存在しない。しかし、ノートPCには存在する。この先頭隠しドライブの役目や働きを調べるのに随分時間を費やしてしまったのです。ま、おかげでwin7から導入されている色んなテクノロジーの一部を知る事ができました。
そして、ようやく新OSを迎えるための準備が出来たと思った矢先、
【緊急告知】一部サプライ品の販売終了のお知らせ
2015年5月31日を目処に、在庫が無くなり次第、販売を終了させていただきます
色再現性もトップクラスのこのMDシリーズ(マイクロドライプリンター)は、プロのデザイナーたちに支えられ、今なお根強いファンが存在します。当然サプライ品の販売終了はいずれ訪れる問題ですが、これほど根強いファンが存在するからにはまだまだ先だろう。なんてのんきに考えていたのです。
参りました。
懸案のOSをクリアしても、インク等のサプライ品が手に入らなければ使い物にならない。
この事態を知った先日から、毎日ネットでサプライ品の在庫探しがはじまりました。
しかし、ここまで苦労しても使い続けたいプリンターなのに、なぜ世間から消えようとしているのか?
残念でなりません。
ps、やはりMDプリンターは名機ですね。消えずにすみそうです。
(株)象のロケット 技術センター
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